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たいした話はしません

東京事変とかいう最強のバンドについて

はじめに

この記事は,ロックバンド Advent Calendar 2016 - Adventarの13日めの記事です.昨日はrokuzeudonさんによるMO'SOME TONEBENDER の Ride into HEAVEN がとにかく良いから - LOGzeudonでした.
モーサムは「You are Rock'n Roll」でガレージ系のイメージが強いです.でも今日はちょっと趣向の違う,東京事変というバンドの紹介をします.

まずは聴け

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どうですか?全人類に自分の好きな音楽を押し付けるみたいなことをするのは好きではないので,「合わないなあ」と思った方は遠慮無くブラウザバックしちゃってください.

バンドとメンバーについて

東京事変はJ-POP歌手である椎名林檎が中心となり2003年に結成され,2012年の閏日に人気の絶頂の中解散しました.
そもそもなぜこのバンドが生まれたかというと,Wikipediaには

2003年当時、引退を考えるほど音楽活動の継続にモチベーションを見出せなかった椎名林檎が、「メンバーたちのために書き下ろすつもりで曲を書けば意欲が湧くのではないか」と考えて結成
東京事変 - Wikipedia

とあります.他の多くのバンドと違うところは,既にそれなり以上の音楽活動の実績がある人間をメンバーとして引き入れているところです.RPG風に言うと,勇者が生まれの村の幼馴染たちとではなく,キャリアや実力が認められている戦士や魔法使いたちと共に魔王討伐に向かった感じです.
そんなこんなで東京事変を語る上でメンバーについての話は欠かせないので,それぞれ紹介していきます.

  • 椎名林檎 (ボーカル)
    言わずと知れたJ-POP界の女王的な存在(?)で東京事変の大黒柱です.バンドの多くの曲の作詞作曲をしました.解散後も精力的に活動しており,NHKにワールドカップのテーマ曲を提供したり,リオオリンピックの閉会式にも登場したり,めっちゃすごい人です.

  • 晝海幹音 (ギター)
    東京事変の初代ギタリストで,「ヒラマミキオ」と読みます.東京事変メンバーとしてのデビュー前からソロ活動を行っており,1stシングル「群青日和」のB面「顔」の作曲なども行いました.独特のジャキジャキと深く歪んだ音作りが特徴です.「教育」後に脱退しました.

  • 浮雲 (ギター)
    東京事変の二代目ギタリストです.浮雲という名前は東京事変での活動時にのみ使用しており,現在は長岡亮介名義で3ピースバンド「ペトロールズ」のギターボーカルとして活動しています.また他のアーティストのレコーディングにも数多く参加しており,星野源の「SUN」やドラマ逃げ恥で話題の「恋」のギターはこの人が弾いていたり.椎名林檎のシングル「長く短い祭り」でデュエットを歌ったりしています.カントリーというジャンルが出身のギタリストで,非常に独特な味のあるフレーズが多いです.

  • H是都M (キーボード)
    初代キーボーディストで,「エイチ ゼット エム」と読みます.2015年の解散までヒイズミマサユ機名義でジャズバンド「PE'Z」に所属,現在進行形で「H ZETTRIO」にも所属しており,幅広い活動を行っています.1stシングル「群青日和」の作曲を行い,その他の曲でもロックとジャズを足して2で割ったようなハチャメチャにカッコいいフレーズを弾いています.群青日和は間違いなく東京事変で最も有名な曲ですが,この人の良さを知るにはむしろ他の曲のほうがいいです.晝海幹音と同じく,「教育」後に脱退しました.

  • 伊澤一葉 (キーボード・ギター)
    二代目キーボーディストです.たまにギターも担当します.H是都Mよりはポップス色の強い落ち着いたフレーズが多いイメージです.現在も「the HIATUS」でELLEGARDENの細美武士などと活動したり,大橋トリオ土岐麻子など,ぼくが好きなアーティストとのコラボが多く,すき.はじめに挙げた「キラーチューン」という曲は伊澤さんの作曲になります.

  • 亀田誠治 (ベース)
    東京事変結成前からも音楽プロデューサーとして活動しており,非常に多くのアーティストに楽曲提供を行っているめっちゃすごい人です.メンバー変更前後でバンド全体の雰囲気が大きく変わったのにもかかわらず,それに合わせて音楽お化けみたいなメンバーを支え続けました.この人も音楽お化けなんですけど.

  • 刄田綴色 (ドラム)
    「はたとしき」と読みます.オープンハンドの変態ドラマーさんですが,椎名林檎フジファブリックのサポートも経験しています.現在はSchool Food Punishmentの元ベースである山崎英明などと「scope」として活動しています.「喧嘩上等」のMVで演舞をしてるのはこの人です.

ざっとこんな感じです.椎名林檎のワンマンバンドと思われがちですが,おかげで全然そんなことはなく,むしろ東京事変後の椎名林檎のソロ活動にも大きく影響を与えました.単純に商業的な話だけではなく,そういった点でも大成功したバンドなのでしょう.

アルバム紹介

東京事変が活動期間中に出したフルスタジオアルバムは合計5枚と少なめなので,全部紹介します.加入してる人は今すぐ音楽配信サービスを開きましょう!

  • 1stアルバム「教育」

晝海幹音とH是都Mが参加した唯一のアルバムなだけあり,他のアルバムとは趣向が異なっています.椎名林檎のデビューアルバム「無罪モラトリアム」に似た,退廃的で少し暗めの雰囲気があります.東京事変の代名詞的な曲「群青日和」や,椎名林檎の「りんごのうた」のセルフカバーである「林檎の唄」も収録されています.
「御祭騒ぎ」や「現実を嗤う」は初期メンバー各人の味が強く出ており,ぼくの好きな曲です.
オススメ度: ★★★★☆

  • 2ndアルバム「大人」

メンバー交代後初のアルバムですが,「スーパースター」「透明人間」は旧メンバー所属時点で曲が完成しており,ライブDVD「Dynamite Out」では旧メンバーによるバージョンを聴くことができます.「秘密」「雪国」などは前作を受け継いだような暗さがありますが,ボサノバのナンバー「化粧直し」やジャズチックな「黄昏泣き」のような曲も収録されており,2ndにして早くもバンドの手広い音楽性が感じられる一枚になっています.
「透明人間」での,浮雲の独特すぎるのに主張が激しくないギターと伊澤一葉の美しいピアノラインとの調和は必聴です.
オススメ度: ★★★☆☆

  • 3rdアルバム「娯楽」

本アルバムでは椎名林檎は作詞のみで作曲には携わっておらず,全て浮雲伊澤一葉亀田誠治の3人による曲となっています.
落ち着いたポップス調の「ランプ」から始まり,似た雰囲気の「メトロ」で終わる、全体でポップス色が強い「かわいい」アルバムです.上でも挙げた代表曲「キラーチューン」や,椎名林檎浮雲伊澤一葉の3人がボーカルを担当する隠れた人気曲である「某都民」などが収録されています.
オススメ度: ★★★☆☆(3.5)

  • 4thアルバム「スポーツ」

明るくキャッチーなポップス風の曲が多く,ベストアルバムのない東京事変の入門としては非常にオススメの一枚です.
「キラーチューン」と並ぶ代表曲の「能動的三分間」「閃光少女」に加え,ぼくが東京事変で最も好きな曲の一つである「FAIR」なども収録されています。またアルバム全体の流れが非常によく,ライブのセットリストのようにメリハリがついています.
「能動的三分間」はそのタイトルの通り再生時間がちょうど3:00なのでラーメンタイマーとして使えますが(そんな感じの歌詞もある),私はカップ麺は硬めが好きなので残念ながら活用できていません.ちなみにライブではバックスクリーンで3分のカウントダウンが行われる演出がありました.
オススメ度: ★★★★★

  • 5thアルバム「大発見」

ミニアルバム「color bars」やシングルB面集「深夜枠」などを除けば最後にリリースされたアルバムになります.
「新しい文明開化」「空が鳴っている」など、伊澤一葉がキーボードではなくギターを弾くロックナンバーが多めになっていますが,「教育」の曲のようなダウナーな雰囲気はありません.「恐るべき大人達」のファンキーなギターがハチャメチャに良かったりはしますが,東京事変の良さがちょっと薄れている感じはあります.「これ!」といった曲はなく,アルバム自体のコンセプトもボヤッとしているイメージです.
決して駄作ではありませんが,他の方の感想も気になるところです.
オススメ度: ★★☆☆☆

その他の作品

B面集「深夜枠」は良作品だと思います(アルバムがいいというかシングルB面がいい).「心」「恋は幻」など、他のアルバムには入っていない東京事変らしい良さがある曲が多いので、各曲要チェックです.
ライブでは毎回異なるアレンジで椎名林檎の「丸の内サディスティック」が演奏されており,映像作品「珍プレー好プレー」に収録された「幕の内サディスティック」と題された特別編集版が,公式でYouTubeにアップロードされています.

youtube.com

ぼくにとっての東京事変

ぼくが東京事変に出会ったのは今から3年ほど前,クラスメイトに影響されてのことでした.それまでは特に意識しなくても勝手にテレビから流れてくるような,流行りの売れっ子バンドによる曲くらいしか聴いていなかったのですが,東京事変の広い音楽性に触発され,邦楽/洋楽やジャンルを問わずに色々な音楽を能動的に聴くようになりました.
それとぼく自身ほんの少しですがギターを嗜んでいます.楽器を始めると聴く曲のコード進行や音作り,タイム感や演奏に使われている技法などにも意識が向くようになり、音楽の楽しみ方が広がります.そういう意味でこの東京事変というバンドには,メンバーが各々の音楽活動で積み上げてきたものによる無限の奥深さがあり,どのアルバムのどの曲もメンバーの厚いキャリアの上に成り立っています.そのためか初めはピンとこなかったアルバムでも改めて聴くと「えなにこれヤバいじゃん」ってなることがしばしばあり、これからどんな音楽と出会おうとも,自分の中では一つの形で音楽の正解にたどり着いたバンドとして在り続けると思います.

あと,ぼくが東京事変のファンになったのは解散後ですが,現在でも椎名林檎のライブに浮雲やH是都Mが参加したりしているので,近いうちに見に行けたらなーと思っています.

おわりに

記事のテーマに東京事変を選んだ理由は2つあります.1つはもちろん好きなものの話をしたかったというもので,もう1つはぼくと同じように,幅広い音楽性を持った東京事変を通じてみなさんがもっと色んな音楽を聴くようになってくれたらという思いがあったためです.
さすがにメタラーにジャズを押し付けるみたいなことをする気はありませんが,例えば自分が好きなバンドに影響を与えた音楽を聴くなんていうのは面白いと思います.今聴いてるバンドにも新しい発見があるかも知れません.

というわけで今回はここまでです.次はfeatherplainさんによるTalking Headsとかのお話です.知らないバンドなので楽しみです!

参考

東京事変 | トップページ
東京事変 - Wikipedia